脳と発達
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<シンポジウム9:小児神経科医が知っておくべき末梢神経の臨床>
慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー
武下 草生子
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2019 年 51 巻 3 号 p. 179-183

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抄録

 慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー (CIDP) は無治療下で2か月以上にわたり進行し, 緩徐または階段状の進行あるいは再発性の経過を示す, 自己免疫が介在する脱髄性・炎症性の末梢神経障害である. 15歳未満の有病率は10万人あたり0.23人とされ, 小児期においては比較的まれな疾患である. 経静脈的免疫グロブリン療法, 副腎皮質ステロイド, 血液浄化療法がファーストラインの治療法であり, これらの治療で反応不良な場合や, 副作用等で治療継続が困難な場合に免疫抑制薬等の補足的治療を検討する. 近年, 一部の患者でランビエ絞輪部近傍を標的とする自己抗体が報告され, CIDPには多様な臨床型が含まれることが明らかになってきている.

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© 2019 一般社団法人日本小児神経学会
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