脳と発達
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原著論文
運動機能評価とアンケートによる脊髄性筋萎縮症に対するnusinersenの治療効果の検討
徳永 沙知下村 英毅谷口 直子李 知子竹島 泰弘
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2020 年 52 巻 6 号 p. 390-396

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抄録

 【目的】脊髄性筋萎縮症患者に対するnusinersenの治療効果を検討する. 【方法】当院でnusinersenの投与を行った患者に, 運動機能評価と主観的指標として患者家族にアンケートを行い後方視的に検討した. 運動機能評価はI型と座位不可のII型にはChildren’s Hospital of Philadelphia Infant Test of Neuromuscular Disorders (CHOP-INTEND), 座位可能なII型とIII型にはSMA拡大Hammersmith運動機能評価スケール (HFMSE) を用いた. 【結果】対象は11例 (I型6例, II型3例, III型2例), 初回投与時年齢は4歳から12歳であった. 運動機能評価の数値は, I型は0または1点でそれぞれ治療後に変化がなかった. II/III型は1例を除いて運動機能の改善を認めた. アンケートでは, 運動機能の他に呼吸機能や消化管機能に関する効果も認めた. 運動機能評価と治療満足度の関連性を検討したところ, 改善がないが満足度が高い症例が4例, 改善があるが満足度が低い症例が2例であった. 【結論】アンケートで示された治療効果は多彩で, 運動機能評価には表れない微細な効果が得られた症例や, 運動機能評価と主観的指標が乖離している症例があった. 単一の指標による評価では不十分な場合, 多角的に治療効果を評価する必要があると考える.

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© 2020 一般社団法人日本小児神経学会
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