2022 年 54 巻 5 号 p. 323-329
【目的】悉皆性の高いレセプト情報・特定健診等情報データベース(以下,NDB)のNDBオープンデータと外来NDBサンプリングデータを用いて小児の鎮静を中心とした本邦のMRI検査に関する実態を検討する.【方法】2014~18年度NDBオープンデータを対象に本邦のMRI検査の実施数,入院外来別,年齢階層別,性別を検討した.加えて2011~15年度の外来NDBサンプリングデータにおけるレセプト情報からMRI検査を抽出し,外来MRI鎮静薬剤使用群と不使用群に分類し両群間を比較した.【結果】NDBオープンデータによると本邦で実施されるMRI検査は年間約1,461万件で,84.3%は外来で実施された.NDBサンプリングデータによると外来MRI鎮静薬剤使用群はMRI検査全体の0.61%であったが,そのほとんどは10歳未満児に対し実施されていた.年齢別のMRI鎮静薬剤使用群の割合は,0歳79.4%,1歳79.5%,2歳70.0%,3歳67.7%,4歳54.8%,5歳48.6%で,6歳14.3%であった.性別でみると1歳成長するごとに男児で0.56倍,女児で0.45倍,鎮静用薬剤が使われにくくなるという減少傾向がみられた.外来で使用される鎮静用薬剤は経口内服薬(65.0%),静脈注射(16.5%),座薬(16.1%),吸入麻酔薬(1.8%)の順で,性別による差はみられなかった.経口内服薬のほとんどは10% triclofos sodium syrupであった.【結論】本邦のMRI検査,特に小児における外来での鎮静の実態を明らかにできた.これらの情報の活用は医療安全のためにも重要である.