2023 年 55 巻 4 号 p. 289-293
抗N-methyl-D-aspartate受容体(抗NMDA受容体)脳炎は,精神症状や不随意運動で発症することが多いため,乳幼児においては精神症状がわかりにくく診断に苦慮する.また,臨床症状が重篤で後遺症を残すことがあるため,早期診断と早期治療が望まれる.近年,抗NMDA受容体脳炎の補助診断として脳血流SPECTや18F fluorodeoxyglucose positron emission tomography(FDG-PET)の有用性が報告されている.今回,右上下肢優位の不随意運動で発症し,arterial spin labeling(ASL)で左大脳半球の血流上昇を認めた抗NMDA受容体脳炎の1歳8か月男児例を経験したので報告する.