脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
Trimethadioneその他の抗てんかん剤内服中の母親から出生した多発奇形児の1剖検例
梶谷 喬小渕 聖子上岡 清隆神尾 優子伊藤 慈秀
著者情報
ジャーナル フリー

1978 年 10 巻 1 号 p. 79-85

詳細
抄録

妊娠中にミノアレビアチン, コミタール, オスポロットを服用していたてんかんの母親から出生した多発奇形を有する1男児を報告した. 患児は生直後よりチアノーゼを示し, うっ血性心不全のため3ヵ月で死亡した. 剖検により二腔心, 肺動脈狭窄, 右側大動脈弓, 兎唇・口蓋裂, 指趾爪低形成などの多発奇形が認められた. 抗てんかん剤の催奇形性に関して文献的考察を行ない, 妊娠可能な婦人に対してtrimethadioneは絶対に投与すべきでないことを強調した.

著者関連情報
© 日本小児小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top