1978 年 10 巻 3 号 p. 218-224
乳仔期の低栄養が, 神経細胞突起の分岐・伸展におよぼす影響を頭頂部大脳皮質において, Golgi-Cox染色法を用いて定量的に検索した.
1) 神経細胞突起の分岐・伸展は, 生後10日目より20日目にかけて急速に発達し, その後の分岐・伸展はゆるやかであった.
2) 低栄養群は対照群と比較すると, 神経細胞突起の分岐・伸展は有意に不良であった.
3) 生後20日以後の栄養上のリハビリテーションにもかかわらず, 低栄養群の回復は完全ではなかった.しかしある程度の回復傾向を示した.
4) 直接細胞体より萌出する突起の数は, 低栄養によっては影響をうけなかった.