1978 年 10 巻 4 号 p. 268-272
小児重症筋無力症患者17例について, 経過を追ってFcR+T細胞 (IgGのFc部に対するreceptorをもつT細胞, suppressorないしkillerの働きをもつと予想されている) を測定した. 抗コリンエステラーゼ剤が有効な軽症例ではほぼ正常域にあったが, 効果の乏しい例ではその経過中しぼしぼ増加を認めた. 抗コリンエステラーゼ剤に抵抗性の強いものほどその傾向が強かった. 抗コリンエステラーゼ剤もステロイドホルモンもまったく無効な慢性例ではむしろ正常域にあった. 以上より本症ではT細胞subclass間に変調が存在し重症のものほどそれが著しいと考えられた.