1979 年 11 巻 6 号 p. 515-524
てんかん患者171名から得られた221検体について, Phenytoin (PHT), Phenobarbital (PB), Carbamazepine (CBZ) の血漿濃度をガスクロマト法にて測定し, 各薬物の単独治療群と併用治療群の, それぞれの血漿濃度を統計的分析にて比較し薬物間相互作用の問題について検討した.
その結果, 以下の所見を得た.
1) CBZ+PBの2者併用群とCBZ+PB+PHTの3者併用群のCBZ=濃度はCBZ単独群に比べ有意に低下していた.
2) CBZ+PHTの2者併用群のCBZ濃度はCBZ単独群に比べ低下する傾向にあった.
3) PB+PHT+CBZの3者併用群では, PB濃度がPB単独群に比し上昇する傾向にあった.4) その他の併用群の場合のPHT及び, PB血中濃度の他剤併用による影響性については明確な結論は下せなかった.