脳と発達
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抗てんかん薬血中濃度と肝機能
特に血清γ-GTPとLAPとの関係について
久永 学内海 庄三郎宮本 誠司岡崎 孜雄塚本 澄雄角田 茂
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1979 年 11 巻 6 号 p. 539-547

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抄録

抗てんかん薬の肝機能への影響を調べるため, 抗てんかん薬の血中濃度測定および肝機能検査を同時に行ない得た98例について検討を加え, 次の結果を得た. 1. 肝機能検査のうち異常率の高いのはγ-GTP (39.8%), ALP (18.8%), LAP (16.3%) で, GOT, GPT異常はそれぞれ8.2%, 4.1%である. 2. 投薬期間が長いほどγ-GTPの異常率は増加する.ALP, LAPではこのことはみられない. 3. LAP異常例はγ-GTP異常例に多く分布し, 共に異常であった14例の異常値の間には相関関係 (r=0.825 [P<0.001]) がみられる.
4. 投薬内容との関係: 1) γ-GTP異常率はPB単剤群で16%であるが, PHTが加わった群では50%以上を示す. 2) LAP異常はPB単剤群ではみられず, PHTが加わった群でのみみられる. 5. 血中濃度との関係: 1) γ-GTPはPHT濃度5μg/ml以下でも39%の異常を示し, 5μg/ml以上では86%と高値を示す.PB濃度の増加によっても異常率は増加するが, PB単剤群での異常率は19例中3例 (16%) と低い. γ-GTPの平均値もPB・PHT濃度の増加により上昇するが, PB単剤群での上昇は軽度であるのに対し, PHTが加わった群での上昇の程度は大きく, 異常値を示す. 2) LAPではPHT濃度との相関はみられない.以上血清γ-GTPおよびLAPよりみた抗てんかん薬の肝機能への影響について検討し, これらの異常を来たす主役はPHTであろうこと, および慢性の肝障害の存在の可能性について考察した.

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© 日本小児小児神経学会
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