脳と発達
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VPA (Valproate Sodium) とPB (Phenobarbital) 及びPHT (Phenytoin) の血中濃度における相互作用について
第1報
松岡 収金 正義鶴原 常雄村田 良輔杉田 勝洋樋上 忍大浦 敏明
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1979 年 11 巻 6 号 p. 577-583

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抄録

Valproate Sodium (VPA) とPhenobarbital (PB) 及びPhenytoin (PHT) の血中濃度を測定し, VPAとPB, VPAとPHTにおける薬剤間相互作用について検討を加えた.
熱性けいれん及びてんかん症例82名 (年齢1ヵ月-19才8ヵ月, 平均6才2ヵ月) に対し, 1-A群ではVPAを先に投与し, 1-2週後PBを併用させ, 血中VPA濃度のPB付加による変動を検討した.次に1-B群では, 逆にPBを先に投与し, 2-3週後VPAを併用させ, 血中PB濃度のVPA付加による変動を検討した.更にII-A群では, I-A群と同様にVPAを先に投与し, 1-2週後に今度はPHTを併用させ, 血中VPA=濃度のPHT付加による変動について検討した.結果は次の通りであった.
1) 1-A群54名中38名に血中VPA値の明らかな低下が認められ, 血中VPA濃度はPB付加により低下する傾向を示した.
2) 1-B群17名に血中PB値の明らかな上昇が認められ, 血中PB濃度はVPA付加により上昇する傾向を示した.
3) II-A群9名中7名に血中VPA値の明らかな低下が認められ, 血中VPA濃度はPHT付加により低下する傾向を示した.

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© 日本小児小児神経学会
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