脳と発達
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Phenytoin及びPhenobarbital唾液内濃度の酵素免疫測定法による測定
風祭 元服部 峰子
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1979 年 11 巻 6 号 p. 611-616

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抄録

酵素免疫測定法の原理に基づくEMIT法を用いて, Phenytoin (PHT) およびPhe-nobarbital (PB) を長期にわたり服用中の患者の血漿中および唾液内のPHTおよびPBの濃度を測定し (5) 次の結果を得た.
1) PHT, PBともに, 唾液内濃度は血漿濃度と高度に有意な相関関係を認めた.PHTの唾液内濃度は, 血漿濃度の約10%, PBの唾液内濃度は, 唾液のpHによりやや変動するが, 血漿濃度の30-40%であった.
2) PHTおよびPBの唾液内濃度は血漿濃度に較べ低濃度なので, 試料の希釈を一回省略して, 標準法の検量線を用いて測定する方法が適当で, この方法による測定値は紫外部吸光光度法による測定値ともよく一致した.
酵素免疫測定法は, 抗てんかん薬の唾液内濃度の測定に際しても, 簡便で正確な測定法であり, 臨床的に有用性が高いと思われる.

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© 日本小児小児神経学会
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