脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
小児における抗てんかん薬の血中濃度測定の実際
一部代謝産物測定の意義も含めて
三浦 寿男皆川 公夫金子 次雄須藤 芳正
著者情報
ジャーナル フリー

1980 年 12 巻 2 号 p. 130-139

詳細
抄録

自験成績を中心に, それぞれポイントをしぼり, 血中濃度からみた小児における主要抗てんかん薬の使用上の問題点を述べた.
Phenytoin (PHT) に関しては, その特異な体内動態Michaelis-Menten kineticsならびに吸収効率 (bioavailability) の問題に触れ, さらに有効血中濃度について言及した.
Phenobarbital (PB), primidone (PRM), sodium valproate (VPA) に関しては, 熱性けいれんを対象としてそれぞれの再発予防効果, 有効血中濃度を検討し, とくにPRM, VPAについては, 合わせて体内動態の一端にも触れた.
Carbamazepine (CBZ) はPHT, PBおよびPRMとの併用により血中濃度が低下するが, 単独投与の有効性, 有効血中濃度を検討した.また, clonazepam (CZP) に関しても, 血中濃度におよぼす併用他剤の影響, 有効血中濃度について言及した.
さらに, PHTの主要代謝産物である5-(P-hydroxypheny1)-5-phenylhydantoinの尿中排泄量, PRM, CBZおよびCZPの主要代謝産物である, それぞれphenylethylmalonamide, carbamazepine-10, 11-epoxide, 7-amino-clonazepamの血中濃度を測定し, これらを測定する意義についても触れた.

著者関連情報
© 日本小児小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top