1980 年 12 巻 5 号 p. 388-394
未熟児新生児医療における人工換気の導入によって, 重篤な未熟児新生児が生存し, 未熟児出生乳幼児の神経病理学的所見にも多少の変化がみられる.今回検討した88例には脳幹障害として, 下オリーブ核の神経細胞脱落を伴ったグリオーゼ (12例), 脳幹被蓋の壊死 (2例), 橋核の壊死 (11例) がみられた.これらは大脳や小脳の出血や低酸素性病変と関係深く, オリーブ小脳路を介する二次変性, 低血圧性脳幹壊死, pontosubicular necrosisなどの発生機転が考えられる.