脳と発達
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L-DOPA有効の難治性痙攣を伴ったincontinentia pigmenti achromiansの一例
宍倉 啓子原口 光代本多 一恵西野 朋子三宅 捷太木村 清次
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1980 年 12 巻 6 号 p. 535-543

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抄録

新生児期から続く難治性痙攣を伴ったincontinentia pigmenti achromians (以下I.P.A.と略) の一例を報告する.本邦では, 1951年の伊藤の報告以来, 十数例の報告をみるが, 神経系合併症は少ない.自験例における痙攣は, ACTH療法及び種々の抗痙攣剤で抑制されず, L-DOPAが著効を示したが, 末梢性副作用として喘息様呼吸不全及び心不全症状を呈した.髄液アミン代謝産物の分析では, 5HIAA, HVAが低値を示し, octopamineが検出されており, 従来の報告にみられるL-DOPA有効例と同様の傾向を示した.L-DOPAの副作用の一つとして, 起立性低血圧は知られているが, 自験例の如く重篤な症状の報告はない.自験例では発汗異常も伴っており, L-DOPAに対する特殊な反応から, 全身性自律神経機能異常を伴う可能性が示唆された.また, I.P.A.の発生機序として広い意味での全身性カテコラミン代謝異常の可能性があると推測され, 興味ある一例と思われた.

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© 日本小児小児神経学会
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