脳と発達
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薦田 房子早川 浩小林 登
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1981 年 13 巻 3 号 p. 205-208

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抄録

I) 感染症を中心とする中枢神経疾患の末梢血Tリンパ球の動態について検討した.化膿性髄膜炎7例につき病初期に検索した6例中全例においてTリンパ球が比率, 絶対数とも著しく減少し, 疾患の回復に伴なって回復する傾向がみられた.無菌性髄膜炎8例中5例においても同様の傾向がみられたが, 比較的軽度で, 回復が速やかであった.ウイルス性脳炎の3例でも同様の傾向がみられたが, 後遺症を残した例では, 正常値まで回復しなかった.一方敗血症, 膿胸, 腎盂腎炎等の全身感染症では10例中8例が急性期にも, Tリンパ球の比率は正常であった.また, 脳腫瘍, モヤモヤ病等の脳血管障害, 変性疾患, 重症筋無力症等の自己免疫疾患でも, Tリンパ球の減少が認められた.

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© 日本小児小児神経学会
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