脳と発達
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新生児頸動脈撮影像
循環様式の特殊性について
白井 鎮夫牧 豊
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1981 年 13 巻 6 号 p. 492-496

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抄録

生後1ヵ月以内の新生児の正常頸動脈撮影像における循環様式の特殊性についで検討した結果, 以下の結論をえた.
1. 動脈相は遷延し, その結果としで, 静脈相の開始時期も遷延し, 深部静脈の出現時期は, 動脈相開始時点より2.0~5.5秒, 表在静脈の出現時期は3.5~8.5秒を要しでおり, 循環時間の遷延が著しい.
2. 静脈相においでは, 深部静脈が, 表在静脈に先行しで出現するのが特徴で, 深部静脈出現後, 表在静脈が出現する迄に, 1.0~3.0秒を要している, このことは, 新生児では, 穿通動脈や脈絡叢動脈の造影度が極めでよく, 大脳基底核や脈絡叢が, 明瞭に造影されることとも相関しでいると思われる.

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© 日本小児小児神経学会
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