脳と発達
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熱性けいれんの病因
特に遺伝学的側面
香川 和子竹重 博子
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1982 年 14 巻 2 号 p. 112-119

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抄録

熱性けいれんの病因では, 年齢, 発熱, けいれんをおこしやすさ (susceptibility) という3つの因子が重要である. 今回, 諸家の報告をもとに上記3項を中心にして熱性けいれんの病因をまとめた. 病因のなかでsusceptibilityが遺伝的に規定されるといわれており, その遺伝様式について検討した.
症例は, 1974年対象例307例中, 7年後の1981年に追跡可能であった260例 (84.7%) で, 単純型117例, 複合型91例, てんかん性熱性けいれん52例であった. 今回は特に単純型+複合型について検討し, 多因子遺伝が最も示唆されたが, 一部優性遺伝, 劣性遺伝に適合する部分もあり, 家系毎に遺伝様式が異なる可能性も考えられ, 今後更に検討していく必要があると思われる.

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© 日本小児小児神経学会
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