脳と発達
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特別発言: 熱性けいれんの疫学的遺伝学的側面
坪井 孝幸
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1982 年 14 巻 2 号 p. 120-123

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抄録

一定地域の3歳児全員を調査して得られた熱性けいれん1,123児と健康対照児群を対象として, 家系研究・双生児研究・疫学的研究を総合的に行ない, 熱性けいれんの遺伝形式の解明を試みた.
1) 3歳児集団中の熱性けいれん罹病率は6.7%(1,123/16,806); 2) 熱性けいれん発端者の同胞の罹病率は20.7%(227/1,094, 兄弟21.4%, 姉妹20.1%);3) 同胞の罹病率は両親に既往がある場合32%, 健康の場合18%, 近親者に罹病者が2名あるとき45%, 1名のとき16%, ないとき0.8%;4) 双生児における一致率は1卵性46%, 2卵性13%; 5) 遺伝率は73%, 6) 集団, 家系, 双生児研究およびComputational model分析により, 多因子遺伝形式の妥当性が示された.

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© 日本小児小児神経学会
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