1982 年 14 巻 2 号 p. 222-224
生下時より発症したと思えるfibrodysplasia ossificans progressivaの13歳女児例の筋生検所見について報告した. 光顕所見では結合組織内に多数の石灰化が存在したが, 筋線維内には, Ca沈着はみられず, 筋線維の破壊像, 炎症像もなかった。ヒストグラムでは, タイプ1線維が小径で, タイプ2B・2C線維の増加がみられた. このような筋線維タイプの分布, 径の異常は, 従来の廃用性萎縮像とは異なり, 本症に筋成熟の障害が存在することを示唆する所見とも考えられた. 結合組織のcouagenのaxial periodicityは, 64-65μmで正常構造を示した.