1982 年 14 巻 3 号 p. 257-264
小児期の各種の脳変性疾患28例に脳波学的検討を行い, 以下に記すような, 病態生理に強く関連する知見を提示し, 神経生理学的方法の臨床的意義について述べた.
1. 光感受性は10例にみられ, うち1例に低頻度光刺激のみに反応する特異な光感受性を認めた.脳網膜変性症におけるこの現象の診断的意義を強調した.
2. 視覚誘発電位には振幅低下をきたすものと, 振幅増大を示すものがあり, 後者には光感受性を伴う進行性ミオクローヌスてんかん3例と, 脳網膜変性症幼児型, 異型各1例がみとめられた.
3. S. S. P. E. において, periodic burstの周期は病期とともに短縮した. また視覚誘発電位は低圧化するものの, 潜時の延長は認められなかった.