脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
変性疾患の神経生理
脳波学的検討
岡 英次三宅 進伊予田 邦昭河野 親彦大田原 俊輔
著者情報
ジャーナル フリー

1982 年 14 巻 3 号 p. 257-264

詳細
抄録

小児期の各種の脳変性疾患28例に脳波学的検討を行い, 以下に記すような, 病態生理に強く関連する知見を提示し, 神経生理学的方法の臨床的意義について述べた.
1. 光感受性は10例にみられ, うち1例に低頻度光刺激のみに反応する特異な光感受性を認めた.脳網膜変性症におけるこの現象の診断的意義を強調した.
2. 視覚誘発電位には振幅低下をきたすものと, 振幅増大を示すものがあり, 後者には光感受性を伴う進行性ミオクローヌスてんかん3例と, 脳網膜変性症幼児型, 異型各1例がみとめられた.
3. S. S. P. E. において, periodic burstの周期は病期とともに短縮した. また視覚誘発電位は低圧化するものの, 潜時の延長は認められなかった.

著者関連情報
© 日本小児小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top