大田原らにより提示されたearly infantile epileptic encephalopathy with suppression burst (E. I. E. E.) の5症例を経験し, それらの初期症状, 脳波, CT所見, 経過, 予後などを検討して次の結果を得た.
1. 発症時期は生後1日-9日ときわめて早い.
2. suppression burst patternは覚醒時においても認められる.
3. 初発時のCTスキャンでは全例に大きな脳奇形はなく, 先天性代謝異常などの基礎疾患も認められなかった.
4. けいれんの型は全身強直型を主体とし, その他, 持続性移動性間代性けいれん, 無呼吸発作, 異常啼泣発作などが認められた。シリーズを形成するものが3例あった.
5. けいれんは非常に難治で予後もまったく悪く, 4ヵ月以内に死亡したものが2例, 生存中の者も全例重症心身障害児で2例がLennox症候群へ変容した.
E.I.E.Eは発症時期および覚醒時にもsuppression burstが認められるという脳波上の特徴的な所見よりWest症候群とは明らかに区別される臨床単位であることから, 本症を大田原症候群と呼ぶことを提唱した.