1983 年 15 巻 1 号 p. 26-33
CTスキャン所見のうち, 頭蓋内異常石灰化像をその部位と形態により7型に分類し, 22例の小児について検討した. すなわち分類は, I型: 脳実質外, II型: 大脳半球, III型: 脳室周囲, IV型: 基底核, V型: 脳幹とし, II型についてはさらに孤立性, 多発散在性, 広範性に細分類した.これらの各型はそれぞれ基礎疾患・症状・神経学的所見・頭蓋単純レ線所見・脳波所見と関連性があり, 診断上有意義なものと思われた.
石灰化の診断にあたってCTスキャンはきわめて有用であった.すなわち, 頭蓋単純レ線においては石灰化が認められたものはこれら22例中9例 (41%) にすぎなかった. また頭蓋単純レ線に比し, より早期から確認でき, 石灰化の個数・範囲がより正確に把握できた.しかし一方では, 石灰化を認めるものの診断不明あるいは症状との関係が不明瞭な症例もあった.