脳と発達
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骨格筋のAMP deaminaseに関する研究
ラット除神経筋におけるAMP deaminase活性の細胞内分布とその変化
長尾 秀夫
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キーワード: 細胞内分
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1983 年 15 巻 3 号 p. 234-240

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抄録

筋疾患におけるプリンヌクレオチドサイクルの意義を明らかにするため, ラットの正常筋および除神経筋のAMP deaminase活性の変化を検討し, 以下の結果を得た.
1. 正常の腓腹筋の白筋部, 長趾伸筋 (白筋) およびヒラメ筋 (赤筋) の粗ホモジネートの AMP deaminase活性は赤筋より白筋において高く, この酵素活性の差は粗ホモジネート中の沈渣分画の活性の差によるものであった.
2. 長趾伸筋の蛋白質1mg当りのAMP deaminase活性は除神経後2-4週間目に有意に低下した.筋肉全組織当りのAMP deaminase活性はホモジネートおよび沈渣分画では低下していたが, 上清分画では不変であった.
3. ヒラメ筋の蛋白質1mg当りのAMP deaminase活性は沈渣のみ除神経1週間後に有意に低下した. 筋肉全組織当りのAMP deaminase活性の細胞分画内分布は長趾伸筋と同様であった. 以上の結果から除神経による筋のAMP deaminase活性の低下は沈渣分画のAMP deaminase活性の変化によるものであることを示した.

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© 日本小児小児神経学会
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