脳と発達
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寝返りと頭部の立ち直り反射
正常乳児における発達
立花 秀俊
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1983 年 15 巻 6 号 p. 503-506

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抄録

乳児の寝返りには種々の立ち直り反射が関与する. 寝返りの発達と立ち直り反射の関係を知るために, 33名の乳児について1ヵ月ごとに下記の反射をしらべた. 1) 懸垂位, 2) 坐位で左右に約30. ゆっくり傾けたときの頭部の立ち直り反射の有無. 2) が陽性化して1-2ヵ月後に1) が陽性化し, 1) とほぼ同時に寝返りができるようになった.
寝返り開始時に一側にのみ寝返り可能な時期が2-4ヵ月続いた5例について反射の左右差を調べた. この期間は寝返り可能側 (例えば仰臥位から右側の上下肢が下方になるように寝返る時) とは反対の側 (左側方向) に懸垂位で傾けた場合に頭部の立ち直り反射が陽性に出る傾向を認めた.
以上の所見から, 懸垂側傾時における頭部の立ち直り反射が寝返りと関係が深いと結論した.

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© 日本小児小児神経学会
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