脳と発達
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9ヵ月で発症した小児皮膚筋炎の1例
河野 嘉文大矢 達男山本 恵子西村 昂三
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1984 年 16 巻 3 号 p. 229-233

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抄録

小児皮膚筋炎の1症例を報告した.患児は9ヵ月のときに全身色素海着で発症し, 1歳2ヵ月で筋生検を行い診断が確定された.現在は経口でプレドニゾロンを投与され, 外来で経過観察中である.本症例の特徴は, 筋生検において従来からいわれているような血管炎の所見に乏しいことと, 筋線維そのものの破壊・変性が激しいことであった.
発症早期の筋生検所見より, 小児皮膚筋炎は血管炎の2次的変化として起こるだけでなく, 筋組織に直接作用し障害するものの存在が推測された.

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© 日本小児小児神経学会
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