脳と発達
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線状皮脂腺母斑症候群の1例
小西 徹山谷 美和紺田 応子鈴木 好文岡田 敏夫
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1984 年 16 巻 5 号 p. 399-403

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抄録

歳5カ月女児の線状皮脂腺母斑症候群の1例を報告した。患児は生下時より鼻梁正中部やや右側, 右頬部に脂腺母斑を認め, 1歳4カ月で点頭てんかんを合併, 言語発達遅滞を認めた.皮膚生検では, 脂腺母斑Pinkus I~II期と考えられ, 脳波では, 右側優位のヒプスアリスミアを示したが, CT scanを含め脳の萎縮・腫瘤等の異常所見はなかった.けいれんは初期にビタミンB6が一過性に有効であり, 後にACTH療法が有効であった.
本邦報告例10例に本例を加えた11例のうちけいれんは7例にみられ, うち点頭てんかん5例, 大発作2例であり, 脳波所見では非対称性の異常を示す例が多く脂腺母斑と同側であり, 中枢神経病変と皮膚病変が病因論上, 発生学的に密接な関係があることが示唆された.

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© 日本小児小児神経学会
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