1985 年 17 巻 4 号 p. 325-329
新生児, 乳幼児の脳は薬剤により, 種々の影響をうける.我々はACTH投与による脳組織内水分含量の変化についてラットを用いて検討した.実験には生後0日目 (A群), 7日目 (B群), 12日目 (C群) のWister系ラットを用い, コートロシンZ (tetracosactide acetate 1mg/2ml) 0.1ml~0.15mlを皮下に連続6日間投与した.水分量測定は脳組織片にメタノールを加えてホモジネートし上清液をガスクロマトグラフィー法にて行った.脳重量は対照群に比して, A, B, C群ともに有意に減少していた.脳組織内水分含量は, A群では対照群に比し有意に少なかったがB, C群では有意差が認められなかった.ACTH投与時期が早い程ラット脳に及ぼす影響は大であった.