1985 年 17 巻 6 号 p. 583-587
先天性パラミオトニアの1例を報告する. 患児は15歳男児で, 1歳頃より寒冷時に増強する四肢のこわばりに気付かれていた. 家系内には同様の症状を呈する者が4世代に19名認められた. このミオトニアはparadoxical myotoniaで, ミオトニアに続いて筋脱力を認める事もあったが症状は非進行性であった. また, 運動負荷後以外には筋脱力を認める事はなかった. 筋電図ではmyotonic dischargeを認めたが, 氷冷後はelectrical silenceとなった. 先天性パラミオトニアは高K性周期性四肢麻痺との異同が問題となる疾患であるが本症例では周期性四肢麻痺の既往はなかった.