脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
ビタミンK欠乏性乳児頭蓋内出血に対する発症予防の重要性
中原 一郎森竹 浩三半田 肇小林 修一長安 慎二奥野 武彦中野 善久
著者情報
ジャーナル フリー

1986 年 18 巻 1 号 p. 14-20

詳細
抄録

ビタミンK欠乏性頭蓋内出血6例の臨床分析を行った結果, 適切な治療を行ったにもかかわらず, その臨床神経学的予後は不良であった. 微小脳血管構築の特殊性, 脳血液関門の未熟性など, 本症発症時期における小児脳の発達上の特殊性が, 本症の不良な予後ならびにその特徴的なCT所見に密接に関連するものと推定される. 以上の観点から, リスク児の早期のスクリーニング, ビタミンK製剤の予防的投与など, 本症の発症予防の重要性を改めて強調した.

著者関連情報
© 日本小児小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top