脳と発達
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幼若ラットてんかんkindlingモデルに及ぼすCa拮抗剤 (flunarizine) の影響
李 成守川脇 寿松岡 収村田 良輔
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1986 年 18 巻 4 号 p. 292-298

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抄録

Ca-entry blockerの一種である塩酸フルナリジンを用いて, 幼若ラットと成熟ラットkindlingモデルにおける「抗けいれん効果」と「てんかん予防効果」について検討した. 1) 抗けいれん効果の指標として, フルナリジン投与前, 投与30分後および24時間後の後発射 (AD) 持続時間を比較したところ, フルナリジン20mg/kg投与群では幼若ラットで投与30分後に約25%のAD持続時間の短縮を認めた. また80mg/kg投与群では, 幼若ラットで投与30分後と24時間後ともに約50%の短縮を認め, 成熟ラットでは投与30分後に約74%の短縮を示した.2) てんかん予防効果は幼若ラット, 成熟ラットとも認められなかった. 以上の結果より既に報告されている抗けいれん剤の効果とも比較検討し, phenytoinとの類似性を推定した.

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© 日本小児小児神経学会
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