脳と発達
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Tay-Sachs病の経時的頭部X線CT, MRI
下泉 秀夫宮尾 益知澤 立子市橋 光山本 佳史田中 修柳沢 正義鴨下 重彦
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キーワード: Tay-Sachs病, X線CT, MRI
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1986 年 18 巻 6 号 p. 464-469

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抄録

我々はTay-Sachs病の2例に, 経時的頭部X線CTおよびMRI (magnetic resonance imaging, 磁気共鳴映像法) を行い, 興味深い所見を得た. (1) CTでは, 早期より両側視床および基底核の高吸収域を認め, 以後大脳白質の低吸収域を認めるようになり, 末期には後頭葉および一部前頭葉に石灰化を思わせる高吸収域を認めた. (2) MRIでは早期よりIR法にて大脳灰白質が帯状の強い高信号域の部位として, 大脳白質が低信号域として表わされ, SE法では灰白質と白質の差が少なくなり, その境界が不明瞭だった.MRI所見の変化は, 病理学的所見をより正確に表わし, さらにある程度その生化学的性状まで表現しているものと考えられた.

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© 日本小児小児神経学会
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