脳と発達
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両側性舞踏病様不随意運動を主症状とするモヤモヤ病の1例
須藤 和昌田代 邦雄森若 文雄上山 博康阿部 弘
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1986 年 18 巻 6 号 p. 513-518

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抄録

両側性の舞踏病様不随意運動を主症状とするモヤモヤ病の1小児例を呈示した.症例は8歳男.入院の7週間前, カゼ症状および気管支喘息症状にひき続き両側性の舞踏病様不随意運動が出現し, 以後持続した.
モヤモヤ病における不随意運動発現は稀なものではないが, その発現機序に対する十分な説明は未だなされていない.臨床および放射線学的所見から, 本例では両側の線条体およびそこから淡蒼球へ向かう経路が虚血により障害されたため淡蒼球に対する抑制が解除され, その結果両側淡蒼球に発生した舞踏病運動惹起インパルスが障害を免れた視床, 大脳皮質運動野および錐体路を介して両側性の舞踏病様運動を発現させたと考察した.

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© 日本小児小児神経学会
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