脳と発達
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MRIにおけるT1, T2強調画像の検討
福山型筋ジストロフィー症, 急性再発型散在性脳脊髄炎, 結節性硬化症について
相原 正男井合 瑞江竹内 明男玉井 和人田辺 雄三斉藤 能厚後藤 実千代中島 博徳
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1987 年 19 巻 1 号 p. 29-36

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抄録

中枢神経疾患児4名を対象とし, MRIを施行した.Picker社製超伝導NMR-CTを使用し, 撮像条件を変えた各種画像での病巣と周囲組織のコントラストを比較し, あわせてCTとの検討も行った.
福山型筋ジストロフィー症では, 皮質下白質は広汎な高信号 (T2強調画像) および低信号 (T1強調画像) として描写されたが, 冠状断におけるT1強調画像では視床, 内包および脳梁の一部は高信号を示し, ミエリン形成を認めた.急性再発型散在性脳脊髄炎では, CTおよびT1強調画像よりも, T2強調画像で鮮明に病巣をとらえられた.結節性硬化症2名では, CTおよびT1強調画像で認めにくい灰白質の結節がT2強調画像でより明瞭に認められた.
T2強調画像は病変を鋭敏にとらえられ, T1強調画像はミエリン形成の描写に優れていた.

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© 日本小児小児神経学会
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