脳と発達
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難治性痙攣を合併する重症心身障害児におけるガンマグロブリン療法の経験
臨床効果と免疫能の変動に関する検討
本山 和徳馬場 輝実子柳 忠道辻 芳郎
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1987 年 19 巻 4 号 p. 275-280

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抄録

抗痙攣剤によっても発作抑制の困難な痙攣を有する重症心身障害児5人に対して, 免疫グロブリン療法を試み, その臨床効果と免疫能の変動を検討した. 対象者の年齢は9歳から34歳であり, 痙攣の罹患年数は7年から34年だった. 非修飾免疫グロブリンを100~300mg/kg, 1~2週間隔で投与した結果, 痙攣発作は5例中1例で減少, 2例が不変, 2例が増加を示した. 脳波には改善がみられず, 1例では棘波の頻度が増加した. 免疫能の変動として以下の結果を得た. 1) 血清IgG, IgA量の増加, IgM量の減少. 2) Leu 10陽性リンパ球数の減少. 3) 末梢血リンパ球抗体産生能 (lgG, A, M) の低下. 以上より, 重障児の難治痙攣に対する非修飾免疫グロブリン療法は, 臨床的に無効であり, 免疫学的にはBリンパ球の減少をおこし抗体産生の低下をもたらすことが示唆された. 痙攣に対する免疫グロブリン療法においても, ある程度の免疫抑制がおこっていることは, 痙攣に対する免疫グロブリンの作用機序を考えるうえで重要と思われた.

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© 日本小児小児神経学会
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