脳と発達
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視床下部弓状核傷害肥満マウスにおける脳発達について
I小脳未分化細胞の増殖動態について
西村 理
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1987 年 19 巻 4 号 p. 294-302

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抄録

新生仔期にmonosodium L-glutamate (MSG) を大量投与したマウスは思春期以後著明な肥満と小頭症をきたす. このマウスの脳組織発達について3H-チミジンオートラジオグラフィーにより細胞増殖動態面から検討した.
Jcl: ICR系雄マウスに出生後連日5日間MSGを2mg/g体重当たり皮下注射した. 対照群には同時期に同量の生理食塩水を皮下注射した. MSG群の脳量量は20日以後, 大脳, 小脳側とも対照群に比し低値となった.
MSG 1回投与後の生後1日目の小脳外顆粒細胞の世代時間は対照群に比べ1.9時間延長していたが, それはG1期とS期の延長によるものであった. 生後7日目においてもMSG群の世代時間は対照群より0.9時間延長していたが, それはG1期のみの延長によるものであった.
生後1日目から20日目までの両群マウス小脳外顆粒細胞の分裂指数 (MI) と標識率 (LI) を求めた. MI, LIともに出生後7~10日目まではMSG群が対照群に比し有意に低値となり, MSG投与が小脳外顆粒細胞の細胞増殖動態を抑制していることを示していた. しかし10日以後はMI, LIともに逆にMSG群が高値をとり“catch up”現象が生じていた. MSG投与による小脳外顆粒細胞の細胞増殖動態の抑制はMSGの直接作用であることが示唆された.

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© 日本小児小児神経学会
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