脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
Down症候群と環軸椎亜脱臼
病態と診断
山田 博是山中 勗
著者情報
ジャーナル フリー

1987 年 19 巻 4 号 p. 309-314

詳細
抄録

Down症候群に伴った環軸椎亜脱臼12例, 後頭骨環椎亜脱臼1例について, 神経学的検査所見, 神経放射線学的検査所見, 手術適応等につき文献的考察を加えて報告した. 従来環椎横靱帯の弛緩が環軸椎亜脱臼形成に重要な因子と考えられてきたが, 今回のシリーズでは環軸椎亜脱臼では総ての症例にossiculum terminaleを伴っており環椎横靱帯の弛緩とともに亜脱臼を起こす上に重要な要因であり, 特に前者が合併する場合は亜脱臼が高度となり神経症状を呈しやすくなると考えられた.
環軸椎亜脱臼の診断は斜頸等の異常姿勢に注意し, 頸椎X線機能撮影, 断層撮影, CT等を機能的に行いどの様な体位時に環軸椎亜脱臼が増強されるか, また整復されるかを知ることが治療上重要である.

著者関連情報
© 日本小児小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top