脳と発達
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細菌性髄膜炎合併症の脳エコー像
市橋 光谷野 定之倉松 俊弘宮尾 益知柳沢 正義鴨下 重彦
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1987 年 19 巻 5 号 p. 379-386

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抄録

細菌性髄膜炎の経過中に起こるさまざまな合併症の診断は, 画像診断による評価が不可欠である. 我々は脳エコー法を用いて, その臨床的有用性と問題点について検討した. 症例1 (1歳4カ月男児, インフルエンザ桿菌性髄膜炎) では脳萎縮像, 症例2 (7カ月男児, 肺炎双球菌性髄膜炎) では脳梗塞, 脳膿瘍, 孔脳症, 脳室炎や水頭症, 症例3 (6カ月男児, インフルエンザ桿菌性髄膜炎) では硬膜下水腫を認めた. 脳表層に死角となる部分があるという問題はあるが, 脳エコー法は大泉門が開存している児であれば非侵襲的にくり返し観察でき, 合併症への対応に遅滞をきたすことなく, 治療効果の判定にも有用である.

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© 日本小児小児神経学会
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