1987 年 19 巻 6 号 p. 492-496
朝顔症候群とtranssphenoidal encephaloceleを合併した下垂体性小人症の1例を報告した.症例は4歳10ヵ月の時に低身長精査のため当科に入院した. 入院時, 身長90.2cm (-3.5SD) と著明な低身長を認めた. 下垂体機能検査で成長ホルモンの単独欠損が認められた.また, 放射線学的検索によりtranssphenoidal encephaloceleの存在が判明した.本例の下垂体性小人症の原因としてtranssphenoidal encephaloceleが想定され, 朝顔症候群の合併とともに発生学的に貴重な症例と思われ報告した.