1990 年 22 巻 1 号 p. 71-76
歳で右片麻痺が出現し, その後TIA様発作を繰り返したprogeriaの1例を経験した.
X線CTで多発性の低吸収域を, 脳血管造影で左内頸動脈の進行性の狭窄と側副血行路の発達を認め, 虚血性脳梗塞の合併と診断した. 123I-IMPSPECTでは左大脳半球の広範な集積低下と, delayed scanで再集積像を認めた. 症状はその後回復が認められ, 123I-IMPSPECT所見と良く一致しており, 123I-IMPSPECT法は脳血流動態の診断のみならず予後の判定にも良い指標となると考えられた. さらに脳波での徐波化も臨床症状の変化と良く相関した.