脳と発達
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生検筋にてcytochrome c oxidase活性低下を認めた重度精神運動発達遅滞を伴う同胞例
大滝 悦生山下 裕史朗堀川 瑞穂寺澤 健二郎片渕 幸彦松石 豊次郎荒牧 修一吉田 一郎芳野 信
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1990 年 22 巻 6 号 p. 610-612

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抄録

重度精神運動発達遅滞を伴う同胞例 (姉5歳;弛緩性四肢麻痺, 妹3歳;痙性四肢麻痺) にて筋生検を施行しその結果, cytochrome c oxidase (CCO) 活性において組織化学染色上は, 姉妹ともに低活性を示したが, 筋組織からの分離ミトコンドリアでの生化学的測定値では姉は正常範囲内であり, 妹は低下していた症例を報告した. CCO欠損症は, さまざまな臨床像を示すことで知られている. その診断についてはミトコンドリア異常を伴わない神経筋疾患群の中にもCCO活性低下例がみられる場合もあるため, ミトコンドリア異常が一次的病因か否かは個々の症例の重症度, 進行度, 血中, 髄液中の乳酸, ピルビン酸値など総合的な判断が必要であり, さらに同胞例で症状が異なる場合, 臓器特異性についても考慮した上で慎重に確定診断すべきであると思われた.

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© 日本小児小児神経学会
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