脳と発達
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神経変性疾患にみられる皮膚汗腺組織の病態
木村 清次
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1991 年 23 巻 1 号 p. 20-25

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抄録

Neuronal ceroid-lipofuscinosis (NCL), Lafora病, mucopolysaccharaidosis (MPS), Nieman-Pick病, Fabry病, GM1 gangliosidosis (GM1), metachromatic leukodystrophy (MLD), Krabbe病などの皮膚汗腺上皮の形態を観察し, 次の結果を得た.
1) 疾患特異的な封入体が汗腺上皮にみられ, MPSとGM1を除き, 電顕所見のみでも各疾患の鑑別は可能と思われた.
2) NCLの中で, juvenile NCLの封入体は顆粒状物質のみで他型との鑑別は容易であったが, late infantile, early juvenile, juvenileの各型ではcurvilinear profileとfingerprint patternの両者 がみられることが多く, 形態のみでは鑑別不能例もあった.
3) Nieman-Pick病A, Cの両型は, 封入体の形態のみでは鑑別ができなかった.
4) Fabry病では23歳女性保因者を検討した.汗腺上皮に封入体がみられ, 保因者検索にも皮 膚生検が有用であることが示唆された.
5) MLD, Krabbe病でも汗腺上皮に特徴的な封入体が認められた.

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© 日本小児小児神経学会
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