脳と発達
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中枢神経情報源としての髄液
大塚 親哉
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1991 年 23 巻 2 号 p. 119-128

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抄録

中枢神経の情報源としての髄液の有用性については多言を要しない. 1960年代にはいってから分析技術の著しい進歩が始まり, 微量物質の定量が容易になってきた. それに伴って中枢神経の情報源としての髄液は, 再び見直されるようになった. 髄液は生理学的にみて, 中枢神経の情報をその中に込めている可能性がある. すなわち, 大部分の髄液は脈絡膜叢から分泌されるが, 一部分は脳室壁から滲出した組織液であり, その組織液の中に情報が込められている可能性がある. 中枢神経の情報としては, 脳の機能に関するものと脳損傷に関するものがあり, 私どもの研究を含めて現在の知見を紹介した.

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© 日本小児小児神経学会
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