脳と発達
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2歳で筋力低下を認めたDuchenne型筋ジストロフィー保因者
山本 俊至河原 仁志稲垣 真澄太田 茂
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1991 年 23 巻 4 号 p. 384-388

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抄録

家系内に男性発症者のいないDuchenne型筋ジストロフィー症候性保因者の2歳女児例を報告した. 患児は11カ月で熱性痙攣を初発し, 偶然確認された高クレアチンキナーゼ (CK) 血症のため外来にて経過観察されていた. その後, 2歳時階段昇降の拙劣, 立ち上がり姿勢の異常のため精査され, 高CK血症と骨格筋CTで明らかな低吸収域を認め筋ジストロフィーが強く疑われた. 筋生検ではジストロフィー所見を認め, ジストロフィン染色によりモザイク状に染色される部分とされない部分が存在し, 症候性保因者と考えられた.家系内に発症者のない原因不明の高CK血症を示す女児の中から, ジストロフィン染色により, Duchenne型筋ジストロフィー保因者を診断できることを強調したい.

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© 日本小児小児神経学会
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