chenne型筋ジストロフィー (DMD) の生検筋で, 内側と外側に分割された筋線維を認め, その一部では内外のタイプが異なる筋線維が存在することを見いだした.現在までにこの種の筋線維についての報告はみられず, 著者はこの内外に分割された筋線維を“boiled-eggfiber”と仮に名付けることを提唱した.各種の神経筋疾患生検筋でboiled-egg fiberの出現率を調べ, ATPase染色でその内外のタイプ分類を行った. (1) Boiled-egg fiberはDMDの60例中17例 (28.3%) に認められ, DMD以外の筋ジストロフィーや筋炎にも出現していたが, 筋線維の壊死再生を認めない疾患群では全く存在しなかった. (2) Boiled-egg fiberの内側ではタイプ2C線維が56.6%と多くを占めていた.以上からboiled-egg fiberは筋線維の異常な再生の一過程を反映する所見と考えられる.