脳と発達
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重症心身障害児 (者) における高レニン高アルドステロン血症の検討
前垣 義弘木村 正彦吉野 邦夫
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1992 年 24 巻 1 号 p. 32-36

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抄録

重症心身障害児 (者) 25例について安静臥位時における血漿レニン活性 (PRA), 血清アルドステロン濃度 (Ald) を測定した.25例中16例にPRA, Aldのいずれかあるいはその両方に分泌亢進がみられた.Acetazolamide内服患者は4例であり, そのうち3例はacetazolamideが原因で高PRAあるいは高Aldであると考えられた.食餌についてみると低塩食群 (1日のNa摂取総量が2mEq/kg未満) は正塩食群 (同2mEq以上) に比べ有意にPRAが高値であり, 尿Na, Cl値は低値であった.このことから重症心身障害児 (者) における高PRA高Aldの主な原因は塩分摂取不足であると考えられた.また移動能力別ではPRA, Aldに差はみられなかった.

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© 日本小児小児神経学会
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