筋型糖原病であるphosphoglycerate kinase (PGK) 欠損症の患児に前腕阻血試験を行い1H, 31P-magnetic resonance spectroscopy (MRS) を, 前者では除蛋白血清で後者ではin vivoで生化学的な動態について検討した. 阻血試験下において患児では乳酸の生成がなく, 血中アラニンの減少が認められた. また31P-MRSによる検討では, phosphomonoesterの著明な蓄積と, ATPの減少, 緩慢な細胞内pHの低下がみられた. ATPは阻血運動下において著明に減少した. 筋型糖原病患者において運動後にみられる筋硬直, ミオグロビン尿, CK値の上昇などは, このような細胞内代謝の変化による筋細胞の障害に起因するものと推測された.