1992 年 24 巻 4 号 p. 358-363
Fahr病の一女児例について剖検所見を含め報省した. 患児は生後3カ月に点頭てんかんとなり, 以後最重度の重症心身障害児の状態であった. 13歳時, 頭部CTにて, 大脳基底核, 側脳室周囲白質, 小脳歯状核に石灰化を認めた. 病理所見は被殻, 淡蒼球, 側脳室周囲白質, 小脳歯状核および白質の小血管周囲に, ヘマトキシリン好性, 鉄染色, Kossa染色およびPAS染色で陽性を示す顆粒状物質を認めたが, 中脳より上のレベルでのみ認め特徴的であった。本症例は現在までの報告例と類似しており乳児型Fahr病と診断した.また高アンモニア血症を認め剖検肝にてomitine transcarbamylaseの部分欠損を認めた。