脳と発達
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ステロイドが奏効した遷延性小脳失調の1例
奥村 彰久前田 規秀鬼頭 正夫羽賀 淑子麻生 幸三郎根来 民子渡辺 一功
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1992 年 24 巻 6 号 p. 587-590

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抄録

遷延する小脳症状を呈した症例を報告した・患児は9カ月の時に突発性発疹症 (以下突発疹) に罹患後, 歩行障害・振戦・異常眼球運動にて発症した.その後症状は増悪・軽快を繰り返し完全に消失しないため, 発症4カ月後当院へ入院した.入院時, 躯幹動揺.振戦.内斜視・眼球動揺を認め, 坐位は不可であった.ACTH療法にて症状は消失したが2週間で再発した.再度ACTH療法を行い効果を認めたが, 再び再発したためステロイドを投与し症状は軽快した.本例の病因としては, ステロイドに対する反応から免疫学的機序によることが示唆された.

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© 日本小児小児神経学会
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