1歳時に退行および視力障害で発症した乳児型neuronal ceroid-lipofuscinosisの女児例を報告した.本症例は経過中急激な精神運動機能の退行を示し, 筋緊張低下, 小頭症, ミオクローヌスなどの症状を呈するようになった.脳波上基礎波の低振幅化および網膜活動電位, 視覚誘発電位の反応消失を認めたが, 聴性脳幹反応は正常の反応を示した.MRIにて進行性の脳の萎縮を認めた.皮膚の電顕的検索にて特徴的な封入体を汗腺上皮細胞内に認め, 乳児型NCLと診断した.患児の骨髄中にsea-blue histiocyteを多数認めた.乳児型NCLは, スカンジナビア諸国では比較的多い疾患であるが, 本邦では典型例の報告はなく貴重な症例と思われる.