脳と発達
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Pelizaeus-Merzbacher病と臨床診断された4症例の経時的MRI所見
石井 光子高梨 潤一杉田 克生鈴木 新後藤 実千代田辺 雄三玉井 和人新美 仁男
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キーワード: Pelizaeus-Merzbacher病, MRI
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1993 年 25 巻 1 号 p. 9-15

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抄録

臨床所見, 電気生理学的検査およびMRI検査からPelizaeus-Merzbacher病 (以下PM病) が疑われた4症例について経時的に頭部MRI検査を行った.MRI上推測される髄鞘化の範囲は, 症例1では脳幹・小脳・内包・視放線・放線冠の近位部まで認めたが, 症例2~4では髄鞘形成はほとんど認められなかった.脳内髄鞘化の範囲は経時的MRI検査において変化がなく, 症例1では髄鞘化が生後まもなく停止し, 症例2~4では髄鞘化が出生以前からほとんど起こらないと推測された.症例1と症例2~4のMRI所見は, 従来報告されてきたclassical formとconnatal formの脳病理像に一致すると考えられた.

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© 日本小児小児神経学会
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